Mr.Children『REFLECTION』全曲歌詞解釈・レビュー(前編)
現在スタジアムツアー『未完』を行っているミスチル。私も来月参加予定です。そこで今回はスタジアムツアーのタイトル名でもある曲「未完」を含むアルバム『REFLECTION』のそれぞれの曲から印象的な歌詞を1つずつ選び、超個人的レビューを行っていきます(曲順は{Naked})。
1. fantasy
「事件(こと)の裏側」すら簡単に閲覧(のぞ)けてわかった気になる
でも本当は自分のことさえ把握しきれない なのに何が解ろう?
何ごとも「知らない・分からない」ことは非常に恐怖に感じることかと思いますが、一番「知らない・分からない」のは案外自分自身だったりします。しかもそんな自分自身こそが、実は自分が一番付き合い続けなければいけない人だったりもします。おそらく一生自分のことは完全には分からず、他人との関わりの中や自分がこれまで経験したこと、アウトプットしたことから自分を何となく定義してわかった気になっていくのでしょう。それは歌詞にある「事件(こと)の裏側」も然りです。若干脱線してますが、そんなことを感じた歌詞です。
2. FIGHT CLUB
仮想敵見つけ そいつと戦ってた 誰も相手になんんかしてないのに
例え敵でも 嫌いな奴でも ひとりよりまだマシだった 孤独がいちばんの敵だった
敵や嫌いな奴がいればそいつを倒そうであったり、何とかしようということでそれが自分の目標となったりします。また、(実際には相手になんかされていないけど)相手にとって自分はライバルと感じて関係性を持った気になって、孤独を忘れたりすることもできます。敵がいないと関わる相手がいなくて孤独だわ、目標がなくてモチベーションが下がるわでとってもしんどいです。
3. 斜陽
心の中にある 青い蒼い空 今尚 雲一つなく澄み渡る
陽気な声がそこには響いてて 青空の下 人は集い笑ってる
私はこれを聞いて旅行の最終日の帰り道の情景が浮かんできました。「旅行はとても楽しかったなぁ、でも明日からはまた普段の生活かぁ」そんな脳内セリフが今にも聞こえてきそうです。帰り道の時ってその時のタイミングもあってか、旅行の良かった思い出がとても美化されて感じるんですよね。そしてその反動で翌日からの現実についつい気が滅入ってしまう。この心の動き、まさに斜陽です笑。
4. Melody
きっと同じように夜空を見上げている人が どこかの町にきっといるはず
もしも違う景色見てても 同じこの地球の上 必ずどこかで繋がっいてるはず))
この歌詞を聞いて何か聞いたことあるなーと思った人はかなりのミスチル通です笑。上の歌詞は「タガタメ」の、
この星を見てるのは君と僕と何人いるかな
下の歌詞は「星になれたら」の、
この風はきっとどこかで君とつながっているから
に通じるものがあります。同じ人が歌詞を書いているのでやはり似てきちゃうんですかねー。
5. 蜘蛛の糸
この想いを闇雲に振りほどこうとして
でも出来なくて余計にきつく絡まるだけ
失恋の時など、忘れようと考えれば考えるほど脳内に出てくるので余計に忘れられなくなってしまうことはよくありますよね。この感覚を蜘蛛の糸で例えるあたり、桜井さん流石です。
6. I Can Make It
いつか自分さえ知らない自分に 驚きを感じたい
日の目を見ないままのこの誓い I Can Make It, I Can Make It
fantasyでも紹介した「知らない自分」、再登場です笑。自分の知らない可能性ってやつですかね。あと、一番の歌詞では「日の目を見ないままのこの願い」がこの二番の歌詞では「日の目を見ないままのこの誓い」に変化しています。ここから、曲が進むにつれて「I Can Make It」の思いが強くなっていることが感じ取れます。こういうポジティブシンキングの曲は個人的に結構好きです。
7. ROLLIN' ROLLING ~一見は百聞に如かず
いいかい そこの若ぇの 百聞は一見に如かず お前の目で見ろ!!
最後の歌詞を載せましたが、この曲は曲全体を聞いてもらうとこの部分の意味が分かるかと思います。「一見は百聞に如かず」と思っていながら、最終的には「百聞は一見に如かず」に至る過程が描かれています。そういや、私も昔こういうの書いてたな―。
8. 放たれる
産まれてきた ただそれだけで愛されてる証
私たちが産まれてきたのは親のお陰です。そして、親が私たちを産んでくれたということは親が私たちを望んだ結果であり、愛されている証拠でもあります。育児放棄や児童虐待など、現実には産まれた後に愛されなくなってしまう場合もあり、キレイゴトの歌詞ではありますが、親を持つ身としては親を大切にしたいなと思った歌詞です。あと、この「放たれる」は映画「青天の霹靂」の主題歌となっており、映画を見るとさらにこの歌詞の意味がグッと来ますよ。
9. 街の風景
なんの気無しにペンを走らせて書いた 若かりし日の作品が
恨めしいほど 恨めしいほど自分を型にはめてく
ブログを書いているとよく感じるのですが、昔から同じ言い回しやジャンルで書いているとついつい無意識に新しい記事でも同じ言い回しやジャンルについて書いてしまいます。「名もなき詩」の「自分らしさの檻の中でもがいている」と同じ感覚です。抜け出したいと思っても新しい型に挑戦するのは勇気がいりますし、実際にそれで成功するのは至難の業です。ミスチルも長年バンドを一緒に続けてきた小林さんと別れ、自分たちの新たな型を探し始めたようです。今までの小林色の強かった従来のミスチルの型から抜け出し、今までの人気を失おうとも新しいミスチルの型を模索していこうという気持ちが間接的に少し感じられる歌詞です。
10. 運命
乗ってる車こそ違っても 僕らは同じ道を走っている
めぐりめぐり そして揺り揺られ 不可思議なこの恋はもしや運命?
絶対運命そう思います
少し間違うとストーカーとなりそうなこの言い回し笑。このくらい片思いに対してポジティブ妄想をできると片思いも楽しくなるかも。
11. 足音 ~Be Strong
「こんなことも最近はしてなかったな…」って ぼんやり思った
ミスチルの印象的な歌詞30選とその解釈・レビューにも載せたので、今回は別の歌詞を選んでみました。新しい道ってワクワクすると同時にとても不安なんですよね。逆に今までの慣れた道だと慣れていて安心できてしまいます。「こんなことも最近はしてなかったな…」という歌詞からは、今まで浸っていた安心感と新しい道に対する不安感が同時に感じ取ることができます。
前編は以上です。続きは後編で。
ではでは。
~後編に続く~
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