徒然なるままな想い書き

何気なく見たり聞いたりした時に得られる『思わぬ発見、気付き』を読者の皆さまに届けています。

【書評】稼ぐ力:「偏差値思考」からの脱却

稼ぐ力

稼ぐ力: 「仕事がなくなる」時代の新しい働き方

稼ぐ力: 「仕事がなくなる」時代の新しい働き方

 

 書籍「稼ぐ力」のレビューです。Kindle版もあります。

 

 

企業のスマート化

フォーマットを統一する

事業規模が大きくなると、事業部門(SBU)ごとに独自のフォーマットを使い出し、いざ他の事業部門と連携となるとフォーマットのすり合わせで余計な時間をかけてしまう。こういった余計な時間をかけて行わなければならない仕事を減らすことで、内向き(本社向き)の仕事に充てる人財を外向き(顧客向き)に充てることができる。

 

内向きの仕事は社内のためであって、直接は社会の役に立つことはありません。そんなことに時間をかけることは極力避けたいですし、こういった考えにはとても同感できます。

 

 

本社部門がやるべき仕事を再定義する

「定型業務(人事や経理部のかなりの部分)」はできる限りIT化するなりアウトソーシングすべきである。そして、その分、「非定型業務(新しい商品を企画するなど、考えてクリエイティブな答えを見つける)」に時間をかけるべきである。

 

定型・非定型業務だけでなく、そもそも仕事の定義が日本は曖昧になっているように感じます。この本にも書いていますが、そもそも仕事を時間量として考える「定時(8時間労働)」といった考え方が変です。定型業務に対しては仕事を時間量で捉えても良いのかもしれませんが、非定型業務に対して時間量で捉えるのは明らかにナンセンスです。仕事の成果で評価することはまだ日本ではまだテンプレート化されていませんが、これから世界と競争していくためには、「時間の量」での定義に加え、「仕事の成果」で仕事を定義できるようにしていきたいものです。

 

 

「稼ぐ力」の鍛え方 

ハードウェア至上主義→プラットフォーム、リビングルーム

ハードウェアは非常にコモディティ(日用品化:品質やブランド力が問われなくなる)化しやすく、一度コモディティ化してしまうと差別化しにくく、利益を上げにくくなってしまう。IT業界では、これからはプラットフォームが戦いの場の前提となり、「その人がいる場所:リビングルーム」を制することが重要となる。

 

ハードウェアにとって、コモディティ化は避けることはできません。形あるものは真似しやすいからです。アメリカなどは既に主要産業をハードウェアからソフトウェアであるIT産業に切り替えていますが、日本はまだまだハードウェアも大きな産業となっています。ハードウェアがあってこそのソフトウェアのものも数多く(輸送機器など)、一概にソフトウェアに切り替えろというわけではありませんが、ソフトウェアが大きな勢力となっていることは事実です。最近のIoT(Internet of Things)なんかはまさにそうで、ハードウェアにソフトウェアを組み込むことによってハードウェアの良さをさらに活用する試みです。ですので、ハードウェア産業においても、ソフトウェア産業は無視することはできず、常に動向は気にしておかなければならないと言えます。

 

 

あと、「プラットフォーム」ですが、スマホが特にそうですね。スマホのハードウェアの部分がコモディティ化していて、スマホという「プラットフォーム」でソフトウェアのアプリが勝負しています。ここからもソフトウェアの躍進が見て取れますが、戦いの場を提供しているプラットフォーム側(Apple, Google)もかなりの恩恵を受けています。なぜなら、プラットフォームとなることで、使用料であったり、ユーザのパーソナルデータを容易に獲得することができるからです。ここらへんの話は以前このブログでも考えていたので、気になればこちらも読んでみてください。

 

tsurzur.hatenablog.com

 

 

この国をダメにした「偏差値」を廃止せよ

日本で導入された偏差値は自分の分際、分限、身の程をわきまえさせるためのもの、つまり、「あなたの能力は全体から見るとこの程度なんですよ」という指標なのである。そして政府の狙い通り、偏差値によって自分のレベルを上から規定された若者たちの多くは、おのずと自分の限界を意識して、それ以上のアンビションや気概を持たなくなってしまったのではないか、と考えざるをえない。

 

この記事のタイトルにも採用しましたが、この本で一番印象に残った部分です。私自身も大学受験を通じてこの「偏差値」に一喜一憂してきましたが、確かに偏差値は「あなたの能力はモノサシ(偏差値)でいうとこの辺ですよ」の意味合いを強く感じます。今でこそ人間を一つのモノサシで計れないことは明らかなんですけど、この偏差値はあたかも「世の中には一つのモノサシ(偏差値)しかない」みたいな思考を学生たちに植え付けてしまっているように思えます。私自身も大学受験の時はまさにそうで、「大学で何をしたいか」という観点のモノサシよりも、「試験の偏差値」のモノサシを重要視して使って大学選びをしていました。今でこそ学生に対する教育は変わってきていて、偏差値偏重はなくなってきていいるとは思いますが、現状今の大人のほとんどはこの偏差値モノサシの教育を受けた人たちです。ぜひ「偏差値による身の丈」は脱ぎ捨てていきたいものです。

 

 

まとめ

印象としては「『稼ぐ力』を身につけるためには、日本のスタイルを捨てて欧米のスタイルを身に付けろ」という一貫したメッセージが感じ取れました。そこまで日本のスタイルを悪く言わなくてもとは思いますが、欧米のスタイルに良い部分があることは事実です。人間には向き不向きがあり、当然仕事のスタイルに対しても向き不向きがあるので、色々なスタイルを学んでは取捨選択し、自らのスタイルを決めていけば良いと思います。大事なのは、自分のスタイルが良いか悪いのかを客観的に判断し、内部の悪いスタイルは捨て、外部の良いスタイルは取り入れるようにしていくことです。この本は、そういった良い・悪いスタイルを学ぶ良いきっかけを与えてくれた本でした。

 

 

 

ではでは。

 

 

 

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