徒然なるままな想い書き

日々の『思わぬ発見、気付き』をつれづれに。

センター試験刷新から考える教育と人間の"これから"

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教育改革


センター試験 2020年度から複数回に 「一発勝負」避ける

 

 最近ニュースになっていますが、センター試験が2020年を目処に刷新されるようです。これにより、従来の暗記による知識の量から、思考や判断などの知識を活用する力を問う問題となるようです。その理由は何なのでしょうか?

 

 

このセンター試験ですが、私もかれこれ7,8年前くらいに受けました。その頃のセンター試験の感想ですが、正直ただの記憶力と脳の情報処理のテストだった印象があります。あまり思考せずに記憶からささっと問題を解く、そんな力が求められるテストでした。志望校が2次試験がメインの大学だったので、正直何を問われているのかが不明な試験に感じていました。

 

 

このセンター試験が今後刷新されるということですが、私は時代の流れからして当然のことのように考えています。センター試験に限らず、一般的な入学や入社試験に問われることは、”その人が持つ、人間として求められる力”です。ここで注意してほしいことは、あくまで"人間として求められる力"という点です。つまり、人間として求められる力が変わってくれば、人間として問われることも変わってくるのです。

 

 

そこで、なぜ従来の暗記による知識の量がもはや人間として求められる力としてみなされなくなってきているのでしょうか?きっと、これを読んでいる多くの人は何となく想像がついているでしょう。そう、コンピュータが原因です。このように、コンピュータのような科学技術は人間として求められている力を変える力を持っています。

 

 

 

科学技術が変える人間の”あり方”


Beyond “Next World” 「次なる世界」からの証言 « WIRED.jp

 

 

最近、NHKの方で面白い番組が放送されています。NHKスペシャル『NEXT WORLD - 私たちの未来 - 』です。これは、これから科学技術が発展していくことによって、我々の生活がどのように変化していくのかを、現在勢い良く開発され、発展している技術を5つピックアップすることによって探っている番組です。今後も定期的に放送される予定なので気になる人は是非チェックしてみてください。

 

 

さて、この番組ですが、未来の世界がどう変わるか?ということに焦点が当てられています。ですが、これは同時に、未来の人間のあり方はどう変わるか?ということをも意味しています。技術は人間が創りだすものであり、人間の手助けをするものであります。そして時にはそれが人間以上となり、人間側の方がそれに頼りすぎ、自分自身からはその機能を捨ててしまうことだってあります。科学技術は人間のあり方を変えてしまうのです。

 

 

最初に挙げた現在のセンター試験が問う暗記力がまさにそのいい例となっています。確かに基本的な暗記力、記憶力は必要です。しかし、昨今の情報化社会による莫大な情報量を前にし、人間は自分ですべて記憶するというスタンスを捨て、WikipediaやEvernoteなどの外部記憶ツールを使いこなし、記憶は思い出すものではなく、検索して引き出すというスタンスに変化していると言えます。人間に求められる力が、暗記力から検索力に変わったとでも言えばよいでしょうか。

 

 

 

人間の”これから”


オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]

 

 

NHKの番組でも問題提起をしていましたが、人間はこのまま科学技術を発展させることでどこへ向かっていくのでしょうか?人間のあり方はどのようになっていくのでしょうか?

 

 

”消える職業”ということで最近話題となっていましたが、これらはまさに人間のあり方を問う良い話題と言えます。消える職業というと聞こえは悪いですが、今まで話したとおり、科学技術によって人間のあり方が変わるのですから、人間のあり方である人間の職業も当然変わります。なので、職業は消えるのではなく、新たな職業に変わるだけです。簡単な例で言うと、昔の人力車の担ぎ手が今のタクシーの運転手に変わるようなものです。そして、この変化はタクシー(自動車)という科学技術によるものです。

 

 

科学者は人間の不便なところ、また、人間社会をより便利にしようというスタンスで科学技術を発展させています。そしてその結果、人間のあり方がセンター試験に見て取れるように記憶力から思考力重視へと変化しており、これからも人間のあり方、人間として求められる力が変化していくことが予想されます。

 

 

例えば自分の身体です。今は文字が綺麗に書けるであったり、速く走れるであったり、速く泳げるといった身体能力は人間の力として重視されています。しかし、未来でサイボーグのような科学技術が発展した場合、身体能力はもしかしたら生身の能力ではなく、サイボーグの適応力となっているかもしれません。

 

 

そこで答えはないですが考えていきたいことは、”人間としてどうありたいか?”です。今の科学技術は人工知能にも手を出し、これから先は、センター試験が新たに問おうとしている思考力ですら、科学技術が取って代わるかもしれません。その場合、もしかしたら人間のあり方として、もはや思考力は要らないということにもなるかもしれません(本当にもしかしたらね)。こう考えていくと、科学技術が発展していくことによって本当の人間のあり方というものが分かるということもありえますが、しかし一方で、人間が人間として残しておくべきもの、これは科学技術に頼らず自分で鍛えあげるものというものを考えておかないと、科学技術は発展したのに生きづらい世の中になってしまうかもしれません。というか、既にLINEの既読スルーであったり、ゆるくつながるコミュニーケーションなど、生きづらい世の中の断片はもう見えていたりもします。科学技術によって人間社会は便利になりますが、それによって人間のあり方は必ずしも良い方向に向かうとは限らないのです。その点には十分注意が必要です。

 

 

 

まとめ

さて、センター試験の話からだいぶ脱線しましたが、要は科学技術が発展するということは、人間の不便な部分を補う→人間の不便な部分は要らなくなるということを意味しています。よって、今のセンター試験が求めている記憶力はもはやコンピュータの力で補えるようになったため、新たに思考力が人間として求められているという話です。そして、これからも科学技術によって人間のあり方は変わり、その度センター試験のような人間を評価する基準も変わっていきます。

 

 

教育のこれからとしては、時代(科学技術)に合わせ、柔軟に教育内容を変えていくことが求められると思います。そのためには、先生側の力量がかなり問われることになります。先生が昔自分が勉強したような記憶力ベースの学習法を今の時代の生徒に教えても効果が薄くなってしまいますからね。だからこそ、まずはセンター試験刷新を機に先生方は指導のあり方を今一度考えてみることがいいのかもしれません(所詮素人意見なので、偉そうに踏み込んだことは言えないです)。

 

 

最後になりましたが、皆さんに新たな気付きとして考えてほしいことがあります。それは、先ほども書いた、”人間としてどうありたいか?”です。恐らく、考えだすとキリがないとは思いますが、一度自分の勉強内容や仕事内容などと照らしあわせて考えてみると、自分のあり方としても1つの示唆が得られるかもしれませんよ。

 

 

 

ではでは。