徒然なるままな想い書き

日々の『思わぬ発見、気付き』をつれづれに。

無意識の情報フィルタリング?人間の情報選択とその特性

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ギターの音が気になる

突然ですが、最近ギターを始めました。仲間と一緒に始めてバンドを組もうというような流れです。それで初めてにふさわしい簡単な曲を練習しているのですが、当然ギターの音が原曲のそれと合っているのかを時々確かめます。原曲は昔から知っている曲で、馴染みのある曲です。

 

ところが、最近そのせいでおかしなことが起こっています。今まで私は割りと歌詞を重要視して曲を聞いていたのですが、最近はやたらとギターの音が耳に入ってきます。しかも、それが練習曲以外でもです。なぜでしょう?

 

そもそもどうやって見ている?聞いている?


selective attention test - YouTube

 

理由を考えてみると、結局私たちは感覚などの情報を取捨選択して取得していることが原因としてあるのだと思います。上の動画がひとつの例です。知っている人は知っていると思いますが、知らない人は次の段落に行く前に動画を見てみて下さい。

 

 

 

 

見ましたでしょうか?

動画が示すように、私たちは全体の情報のうち、自分が注目する部分しか受け取らないのです。私のギターの例でいうと、昔までは歌詞が重要だから声に注目していたため、曲の中で声の情報を選択的に取得していました。ところが今はギターの練習をしているので無意識的にギターの音が気になった状態となり、曲の中でもギター音を選択的に取得することになったのです。これは、動画でいうところの「数えること」に注目してしまったがために、それ以外の「ゴリラ情報」を捨て去ってしまったことに当たります。

 

情報の選択は悪いことではない、当たり前

でも、だからといって全部の情報を注目して取得できるかというと、それは不可能です。なぜならその場合、情報量が膨大すぎて、脳がパンクしてしまうからです。脳のこのような情報削減、フィルタリングはとても強力であり、機械ではなかなか真似できない強みと言えます。しかしながら、この強みは人間が無意識的に行っていることでもあります。そのため既に気づいている人はいいですが、気づいていない人は知らず知らずのうちに情報を削減しているため、要注意です。

 

 

情報は何でもかんでもフィルタリング

さて、このフィルタリングは様々なところで実感することができます。

カクテルパーティー効果

まずは、カクテルパーティー効果が挙げられます。これは、カクテルパーティーのように、たくさんの人が雑談していても、自分が注目して話している人の声や自分の名前などは、自然と聞き取ることができることを指す効果です。これは聖徳太子以外は誰もが実感したことがある効果だと思います笑。音声情報が数多くある中、人の声や自分の名前などの情報を選択的に取得できることは、まさにこのフィルタリング効果と言えます。

 

学歴フィルタも・・・?

あと、学歴フィルタです。これはあるのかどうか分かりませんが、私のような就活生にはタイムリーな問題です。これも今までのフィルタリングからするとある意味ありえることなのかもしれません。大量のESを吟味して志望者を選定するのは先の例でいうと脳がパンクしている状態であると言えます。そのため、自分たちが求める(注目する)人物像を基準にフィルタリングをかけて、それらに”選択的に”注目することができるようにすることはもっともなことだからです。そのため、基礎的な学力に注目するならば、学歴のフィルタリングをかけるというはありだと思います。

 

この無意識的なフィルタリングを考慮し、利用せよ

ギターの例から入りましたが、まとめますと、人は脳の情報処理の制限から、情報を何に注目するかという観点からフィルタリングにかけ、注目したものだけ選択的に取得するという特性があります。すなわち、自分がどれだけ情報を相手に与えたとしても、相手がそれに注目していなければ、情報を受け取ってもらえない可能性があるのです。就活生なので就活に絡めますが、自己PRをしたとしても、それが薄い内容であれば相手には注目してさえももらえず、その結果その自己PRは情報として選択されず、印象に残らないという結果になってしまいます。そのため、相手が注目できるように一点に絞り、端的に言うことが重要と言えます。また、相手が求める(注目する)ものを理解することができれば、それを訴えかけることで、相手の注目をより得られることも可能と言えます。

 

このフィルタリングの利用は就活に限ったことではありませんが、何にせよ、

自分の主張を相手に伝えるためには余計なことは言わず、注目点のみ伝える(相手に注目点を作らせる)
相手には注目点が存在し、それ以外は何を伝えてもあまり印象に残らない

この2つはコミュニケーションにおいて気をつけておかなければならないことだと思います。人は無意識的に情報処理を行うことが多いため、このような無意識のフィルタリングを理解し、それに応じた対策を打つことは非常に重要と言えます。

 

ではでは。